旅の扉

  • 【連載コラム】旅行が大好きやか!
  • 2018年9月25日更新
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ 一期生

日高村の特製オムライスと里山サイクリング!

旅に出たら、やっぱり観光案内所で地元の人の話を聞くべし!zoom
旅に出たら、やっぱり観光案内所で地元の人の話を聞くべし!
まだ午前10時過ぎだというのに、すでに気温は32度を超えている。ホテルから5分程歩いただけでもう汗ばんでいる。今年の夏は特に暑い。JR高知駅南口にひときわ目立つ幕末の土佐三志士、坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の大きな像の横を歩きながら、日高村への小さな旅の前に、高知観光情報発信館「とさてらす 観光宿泊案内所」(以下、とさてらす)で涼んでいこうと立ち寄った。

今日の小さな旅の目的は、日高村自慢の特産品フルーツトマト「シュガートマト」を使った“オムライス街道”のオムライスを食べること。11軒の中からどの店にするかの目安は付けていたが、とさてらすの人にも聞いて見ようとも思った。館内に入ると、高知県産の杉だろうか、良い香りが漂い、町屋風の装飾で統一されている。高知県の観光スポットがエリア別に分かり易く紹介されていて、横にある建物にはNHK大河ドラマ「龍馬伝」で使われた龍馬の生家セット「幕末志士社中」もあり、当時の衣装を着て記念写真も撮ることができる。高知県の物産が数多く揃う「とさ屋」もある。

案内の人からオムライス街道の話を伺いながら、日高村に関する無料のガイドブックをいただいた。すでに頭の中はオムライスモードになっていたが、帰りがけに、日高村に行くなら自転車をレンタルして「さとやまサイクリング」も良いですよって言われた。す〜っと折りたたみのサイクリングマップを差し出され、そこからまた5分間ほど話を聞くことになった。

旅はある意味、その時の直感で何かを感じたことを体験してみるのも醍醐味のひとつだ。オムライスは外せないが時間は終日あるので、日高村でサイクリングをすることを決めると、1時間に1〜2本という列車の時間を確認して、すたすたと土讃線のホームへ向かった。
初めて行く場所は、いつもワクワクする!zoom
初めて行く場所は、いつもワクワクする!
高知駅を出発して35分ほど列車にゆられて「岡花駅」に到着。小さな無人駅はなぜか旅情を掻き立てる。無人駅に掲げられた時刻表を忘れずに写メして帰りの時刻をチェック。8月の日射しが強い中、自転車をレンタルしている「村の駅 ひだか」に徒歩5分ほどで着いた。4年前にリニューアルオープンした村の駅 ひだかは、特産のトマトをはじめ、農産品や加工品などが揃う。早速自転車をレンタル。本格的なサイクリングバイクからママチャリ、子供向けのバイクも揃っていて、ヘルメット付きでレンタル料金は500円!お昼にはちょっと時間は早いが、15kmのサイクリングコースの後までお腹が持ちそうにないので、お目当てのレストラン「レストラン高知」経由でオムライスを食べてから、ゆっくりと日高村の里山をのんびりとサイクリングをしようと決めた。熱中症対策として、お水とプチトマト(塩分補給用)を買っていざ出発!

サイクリングは風がとても気持ち良い。ましてや里山の風景を臨みながらのんびりと過ごす時間は、非日常の世界へ導いてくれる。時折サイクリングマップを確認しながら、最初の目的地、日下川の調整池「メダカ池」を目指す。走りはじめて5分も経たずにメダカ池が見えてきた。この池は県内最大級、約14ヘクタールの内陸型湿地には、沢山のメダカが泳いでいる。周囲にはサギやカワセミなどの野鳥も飛び交い、湿地の珍しい植物や昆虫も観察できる。
日高村が誇るシュガートマトを使ったオムライスは絶品!すべての店のを制覇したい。。。zoom
日高村が誇るシュガートマトを使ったオムライスは絶品!すべての店のを制覇したい。。。
メダカ池の北側を周り、5分程してレストラン高知に到着。オムライス街道は、国道33号線を東西(土讃線小村神社前駅〜日下駅〜岡花駅周辺)に走る。街道沿いにある9軒のレストランなどで日高村特製オムライスを食べることができる。

レストラン高知の「南国土佐のオムライス」は、オムライススタジアム全国大会で準グランプリ&ふるさと賞をW受賞したこともある逸品。シュガートマトのピューレを使ったトマトピラフにとろふわ卵をかけ、ゆずと生姜ダレを絡めたカツオのフリットと地元野菜をトッピングし、石焼きビビンバのような熱々の器で登場してくる。値段は1000円。本当に美味しい、まさに日高村でしか食べられないオムライスだった。

レストラン高知
高知県高岡郡日高村岩目地713
0889-24-5739
午前9時〜午後10時(午前11時まではモーニング)
年中無休
駐車場70台


日高村は、山に囲まれ昼夜の寒暖差が大きいことから、トマトの産地として適しており、以前からトマトの栽培が行われていた。この独特な気候を活かした栽培方法の研究が重ねられ、1983年に高糖度トマト「シュガートマト」が誕生した。甘みと酸味のバランスが良く、旨味がギュッと濃縮されているのが特徴。旬の時期は2月から5月頃。
田園風景を眺めながら、心地よい風をきるサイクリングはとても良い体験zoom
田園風景を眺めながら、心地よい風をきるサイクリングはとても良い体験
想像以上に美味しかったオムライスを堪能した後、日高村の里山風景を見ながら楽しめる全長約15kmの初心者コース「さとやまサイクリングコース」の地図に従って出発!今度はメダカ池の南側を通り、少し細くなった農道のような道を進んでいく。しばらくすると上り坂が続き、小さな山越えという感じ。これが想像以上にきつくてギアを一番軽くしてもギブアップ!自転車を降りて200mほどの山登りは押して歩いた。いよいよ下りとなる前に自転車を止めて水とプチトマトをほお張る。気を取り直して山道の下りを進んで行く。木漏れ日の下り坂を気持ち良く走っていったせいか、鼻や耳など「穴」に関する病気に御利益のある「穴地蔵」を過ぎてしまったらしく(苦笑)、気が付いたら「星神社・天満宮」が右手に突如現れた。お参りをしてちょっと一休み。またプチトマトを2〜3個ほお張り水を飲む。このこまめな水分・塩分補給が熱中症には重要だ。小さな境内をグルリと見回すと、山水が流れる本当に小さな小川の脇に牛の石像を見つけた。ここにもお参りして牛さんの頭を撫でさせてもらう(ありがとうございます)。

元気回復してサイクリング再開。緩やかな下り坂を進むと県道291号線にぶつかった。右に行くと10分程で江戸時代中期頃に活躍した忍者、日下茂平の修行の地として伝承が残る「猿田洞」に着く。しばし休憩後に平坦な県道を戻るように小川沿いを走って行くと、田んぼや畑の景色が広がっている。のんびりと20分位だろうか、さとやまサイクリングの醍醐味を感じつつ、土讃線の踏切にぶつかった。線路脇でマップをもう一度確認してサイクリングコース通りに小村神社へ向かう。
由緒ある神社で「一期一会」 見知らぬ旅先でのひとときの会話は心が和む...zoom
由緒ある神社で「一期一会」 見知らぬ旅先でのひとときの会話は心が和む...
土讃線の踏切を渡った後、平坦な道を進んで行くと、左側には住宅が並び、右側には田園風景が広がっている。20分程走ると県道299号線にぶつかり、右折をして緩やかな下り坂を走っていく。しばらくすると右側に小村神社という看板が見えてきた。

小村神社は土佐二宮として有名で、587年に創建された1400年以上の歴史を持つ神社。社殿を見守るように背後にそびえ立つ大木は、樹齢千年を超えると伝えられる牡丹杉で、有事の際に光ることから「燈明杉」と称される御神木がある。

旅の安全祈願をお参りし、天高く聳える御神木に一礼をした後、ゆっくりと社殿を後にした。すると大きな赤いHONDA CBRのバイクに乗った旅人と鳥居で出くわした。挨拶を交わし、どこから来たかなどたわいのない話をしながら、持っていたプチトマトを一緒にほお張る。誰もいない境内でわずか5分程度の会話であったが、一期一会、人との出会いを温かく感じる瞬間であった。
高知のちょっとひとり旅のシメは、カツオの塩タタキとビールで決まり!zoom
高知のちょっとひとり旅のシメは、カツオの塩タタキとビールで決まり!
小村神社を後にし、来た道を戻っていく。今度は田園風景が左側に広がり、一度走った道だけに漕ぐペダルも軽やかだ。レンタル自転車にも慣れてきたが、さとやまサイクリングを楽しめている感じがした。のんびりと30分ほど走ったが、途中、シュガートマトのハウス栽培らしきビニールハウスが道の両脇に広がる「トマト団地」と称する場所を抜け、秋には4ヘクタールのコスモスが咲き乱れるコスモス畑をぬけると見覚えのある小さな踏切に出くわした。踏切を越えるともうそこは村の駅 ひだか、約3時間のサイクリングの終点を迎えた。

「暑かったでしょう」と声をかけてくれた村の駅 ひだかで働く山崎さん。日高村のお隣の佐川町産牛乳をグイッと飲み干した後、霧山茶を持ってきてくれた。日高村には、中四国最大規模の美しい茶畑が広がる「霧山茶園」がある。地元の人たちに愛される知る人ぞ知る銘茶。このお茶は渋みがなくまろやかで美味しい。思わずお代わりをしてしまった。シュガートマトの話を伺い、今度は旬の時期に訪れてみようと思った。その時もまたさとやまサイクリングコースを走るのだろうなぁ。お土産をいくつか購入して、岡花駅にゆっくりと歩き出し、日高村への小さなひとり旅の時間が終わりを告げた。

車窓から見える景色をぼ〜っと眺めながら、高知駅まではあっと言う間だった。今日一日の心地よい高知の小さな旅の疲れを癒すのは、やはりカツオの塩タタキと生ビール!自然と足がひろめ市場へ向かってしまった。(了)M.O.

さとやまサイクリングコース
貸出場所: 「村の駅 ひだか」 高岡郡日高村本郷1478-9 ☎0889-24-5888
レンタル料金 500円(ヘルメット代込み)
利用時間: 午前9時〜午後5時(受付は午後3時まで)
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科:小倉ゼミ 一期生
亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科 小倉通孝ゼミの一期生(2017年入学)14名による旅のコラム。ゼミの授業を通して訪れた国内外の観光地をフレッシュな学生の視点でレポートします。

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